早く出会いたかった~!「アトピーの治し方」大塚篤司著

アトピー性皮膚炎で悩んでいる方(アトピー性皮膚炎のお子さんをお持ちの保護者の方々)にぜひ読んでいただきたい本。本の表紙に「どうか、この本を最初に読んでください」とあるように、最初に読むのが最適な本だと思います。

 

世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方
 

ステロイドのこと、民間療法のこと、気になることがちゃんと書かれていて、アトピー性皮膚炎の、現時点での治療の実態がわかるようになっています。

 

末っ子の三男は、この4月から中学生になりますが、幼いころ、ひどいアトピー性皮膚炎を患っていました。今は、手がちょっと荒れているくらいで、だいぶんましになりました。できることなら、ひどいアトピーがあるころにこの本に出合いたかった~!(出版されたのはついこの間だからそれは無理なんやけど)。

 

三男は、生まれて1歳未満のときは、それほどひどいアトピーはありませんでした。ひどくなったのは、保育園に行きだしてから。顔がとてもひどくなり、一時は顔中パックをしたように覆って「マスクマン」のようになっていました。耳切れも当然あり、足や腕の関節部分も切れていて、手の指もアカギレのようになり、あちこちで出血していました。

 

そのときは、皮膚科にかかり、わりと強めのステロイド入りの薬をもらって塗っていました。薬が効いてわりときれいになったら、ステロイド入りの薬はあまり続けるとよくない、みたいな情報があったので、薬をちょっとお休みしたりしていました。するとしばらくするとひどくなる、また医者に行って診てもらう、という繰り返し。長期にわたって薬をあまり服用させたくなくて、いただいた薬をぜんぶまじめに服用させていませんでした。

 

実際、わたしのこの勝手なやり方があまりよくなかったようです(そりゃそうか^^;)。そこはちゃんと医者と相談しながら、治療を進めていくのが一番の最短の治療だったかもしれません。

 

ちょうど、その「マスクマン」になってしまったときに、他に治療法はないものか、とやはり調べてしまいました。すると、ホメオパシーというものがあることを知りました。医師がホメオパシーを処方しているところがあったので、お医者さんがしているんだから大丈夫じゃないか?と思い、そこを受診してみることにしました。レメディを処方してもらい、少しずつ試してみると、たぶん偶然だったと思いますが、ひどい症状があった顔がきれいになってきました。そのときは、ほんとにレメディのおかげなのか、レメディのおかげではなく、たまたまちょうど治りかけだったからなおったのか、判断できませんでしたが、とりあえず、ホメオパシーをしばらく続けてみることにしました。

 

ホメオパシーは効果が出ると言っても、少しずつというふれこみだったので、実際には効果があったのかなかったのか、よくわからずじまいでした。やめるきっかけになったのは、わたしがフルタイムで仕事をすることになったため、平日の病院通いができなくなったからでした。

 

三男のことをいろいろ書きましたが、ホメオパシーのことはこの本には載っていません。でも、標準治療以外の民間治療はほとんど効果を認められているものはない、とはっきり書かれているので、ホメオパシーについてもし載っていたとしても効果はない、と書かれているに等しいと思います。

 

ステロイドについても必要以上に怖がる必要はないとのこと。当たり前かもしれませんが、わたしたち以上に医者がステロイドのことについてよく知っていると思います。だから医者の処方を信頼し、もし自分でなにか不安や納得のいかないことがあれば、直接医者に聞くというのが一番いいようです。

 

ネットで何でも調べられるかもしれないけど、もしかしたらその調べたものは、信頼できない情報かもしれない。治りにくいアトピー性皮膚炎だからこそ、他に何かもっとよい治療法があるのではないかとついつい検索してしまうもの。でも標準治療以外にもっとよいものなんてそもそも存在しないようです。

 

ほんの1年ほど前、三男の手は、かきむしりすぎて、出血して、体液も出て、指が曲がらないくらい腫れていました。さすがにこれは薬が必要だと思い、皮膚科を受診し、薬をもらってしばらくつけていました。体液もひどく出ていたので、包帯も巻いていました。よくなってきたので、薬をお休みして、またかきむしって、少しひどくなって、また薬を塗って、と繰り返していました。

 

薬をつけなくなって、落ち着いてきて、しばらくして三男の手をふと見ると、なんだかきれいになっていました。すべすべの手とまではいかないけど、一時のひどいころと比べると格段によくなっていました。まだ少しかゆみがあるようだけど、これくらい成長したら、よくなってくるものなのかもな、と思いました。

 

三男は12歳。10年間くらいはアトピーに悩まされてきたことになります。血が出るまでかきむしる姿をみると、「かいたらあかんで!」とつい言ってしまってましたが、かいたらあかんことくらい、本人が一番よくわかっている、だから「かいたらあかんで」と言わないでください、と大塚先生は本に書いていました。

 

10年は長い。個人差があるから、もっと短くてよくなる人もいれば、大人になっても症状が改善しない人もいるかもしれない。成長すればよくなる人は多い、と聞いていたけど、先の見えない治療で、いつになったらよくなるのか(医者もそれはおそらくわからない)、と不安に思っていました。そんな不安をかかえた方、ぜひこの本を読んでみてください。そしてアトピーの治療をお医者さんと相談しながら、続けてみてください。一日も早くよくなることをお祈りしたいと思います。