『放射線について考えよう』 多田将著

とても素晴らしい本に出会えた。

 

著者は京都大学理学研究科博士課程修了、理学博士。
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 准教授。

 

多田氏の本で最初に読んだのは『宇宙のはじまり』という本。この本もとても面白かった。

わたしは宇宙が好きで、図書館で雑誌『NEWTON』の宇宙特集などの本を見つけたら、迷わず借りる。宇宙というのは謎だらけで、とにかく興味をそそるからだ。ブラックホールの撮影に成功した、というニュースもあったが、とても興味深い。

 

前置きはこれくらいにして、と。

放射線については、いうまでもなく、もう8年もたったが、大地震での福島原発事故での放射性物質が放出され、恐れおののいたことはまだ記憶に新しいことだ。いろいろなニュースがあり、ネットでも騒がれ、どれが真実なのか、いまいちよくわからない中、放射性物質はとにかく危険!福島やその近辺の作物など汚染されている可能性があるものは食べない方がいい、という情報があれば、なるべく危険なものは避けようという方針をとっていた。とくに放射線については、専門的には何も勉強せずに。

 

でもこの本を読めば、よくわかる。いかに自分が放射線のことについて、うわべだけ知っていたか、ということが。ていうか、マスコミとか、政府とか、放射線について、もう少しまともな説明をした方がいいんじゃないか、と思いました。まともな説明をしないから、変な情報が流れて、それを信じてしまう人が多くなってしまうのでは?と。いやもう、学校教育で、理科(物理)で教えた方がいいと思う。

放射線について考えよう。

 

じつは、ネット↓でも読むことができる。内容はまったく同じだそうだ。

radiation.shotada.com

放射線とは何ぞや、ということを一からとてもわかりやすくまとめてある。福島の原発事故のことについては、そんなに触れていないけど、他の事故の例から放射線の危険性が解説されている。

最期に著者が指摘している「寝た子を起こすな」という考え方がとても問題のある考え方だ、ということ。これには激しく同感だ。いつまでも寝かせておくことほど、危険なことはない。

 

放射線について、正しい知識を持ちたいとお考えの方は、ぜひぜひこの本を読んでみてください。